「スマホの次」競争で頭一つ抜けた感のあるAmazonダッシュボタン(DRS)

GoogleがiPhone上のデフォルト検索エンジンの座を死守するために10億ドル(1000億円)払っていることについて前回書きましたが、これは広い意味でプラットフォーム競争でもあります。

利用者に接するフロントエンドの部分を抑えようという競争なのです。

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プラットフォーム、それは奪い合いの歴史

プラットフォームといえば、古くはWindows OSです。PCは色々なメーカーから出ていますが、エンドユーザが触っているのはWindows OSというソフトウェアであって、この部分を抑えたWindowsは圧倒的な力を得るようになります。

一方、PCを使う大半の人にとってはメール(Outlook等)とWebブラウザがあればよく、そして、Webブラウザで最初にするのは「検索」です。この検索エンジンで成功したのがGoogleでした。検索という「Web体験の入口」をGoogleは抑えることで、莫大なWeb広告収益を得るようになりました。

モバイルファースト(スマホ)の時代

ネイティブアプリの隆盛

「Webブラウザで検索できればいい」そんなPCの考え方がPCユーザの中では広まりつつある一方で、また重要な出来事が起こります。2007年に登場したiPhoneです。今でこそ当たり前ですが、iPhoneに代表されるスマートフォンでの体験というのはそれまでのPCでのWeb体験とまた異なります。

スマホで一番快適な体験はWebブラウザでは得られません。スマホで皆アプリを使っているわけです。スマホはWebブラウザ中心ではなく、(ネイティブ)アプリ中心の世界であるわけです。

スマホ上ではWebブラウザ(Safari)を使わない、つまりは検索をしないという人が多いのです。

Amazonアプリの引力

何かを調べようと思ったとき、それが買い物に関わるものであれば、Google検索を使う必要もなく、Amazonアプリの中で直接探してしまったほうがすぐに商品が見つかって便利なわけです。

人々の「検索」行動によって莫大な広告収入を稼ぎ出しているGoogleにとって、Webの入口をこうしてAmazon等のアプリに奪われることは、彼らの本業に多大な影響を及ぼすわけです。

一見地味なAmazonの革新的な取り組み

「スマホの次」競争(ウェアラブル競争)

スマホが普及し、Webの入口に新たな経路が生まれました。新たなデバイスが生まれ、新たな体験が生じるとき、Webの導線に変化が生じます。

スマホの次は「ウェアラブルデバイスの時代だ」と多くのメーカーが様々なデバイス・センサーを開発中ですが、Googleが出したGoogle GlassもこのWebへの入口を如何にして抑えるかというものだったわけです。

メガネという人間が常時接しているモノをWebの入口にしてしまうという試みです。

ウェアラブルのその脇で、燦燦と輝くAmazonダッシュボタン

スマホの次の最右翼だったGoogle Glassは失敗します。プライバシーの問題等でコンシューマ向けの商品としては受け入れられなかったのです。

そうこうしているうちに、また別のところで重大な動きがありました。

それが「Amazon ダッシュボタン」です。

https://www.youtube.com/watch?v=EHMXXOB6qPA

このダッシュボタンをワンプッシュするだけで消耗品(洗剤やインクトナー)が注文可能な仕組みなのです。ダッシュボタンは事前にスマホと繋いで簡単な初期設定しておくだけで使えます。

Amazon ダッシュ補給サービス(Amazon Dash Replenishment)の一環で登場したデバイスです。

ウェアラブルとは違いますが、これも新たなWebへの導線になるわけです。昨今流行の言葉で言うと、IoT(Internet of Things)ってやつです。取扱商品は現時点では消耗品ですが、消耗品こそ皆が毎日使うものであってとてつもなく規模が大きいものです。

このシンプルな仕組みが広がり、ダッシュボタンが人々の購買活動に習慣化されてしまえば、また一つWeb入口が広がると同時にWeb上のGoogleのプレゼンスは低くなります。

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