IoTの課題に対してLPWA技術が開発され世界は何歩も先に行ってた〜LoRaWANとWiFiの比較など〜

つい先日、ソフトバンクのARM買収について、ソフトバンクがどんなやり方でIoTの世界へ勝負を仕掛けてくるかを自分が思うIoTの現状の課題を交えつつ書いてきたのですが・・・

この記事を書いたあとに色々調べたら自分のぼーっとしているうちに世界はだいぶ先に進んでいてびっくりしました。

自分の感じていた課題はもはやIoTの世界で当たり前の話でそれに対して新たな通信規格の策定が進み、既にその通信規格に合った製品の開発に多くの企業が取り組んでいたんですね。

それがLPWAという通信規格。

大手携帯通信事業者のもつLTEや3Gといったネットワーク網、価格体系はIoTでは明らかに高コストで成立しないだろう、という疑問に対する解として、LPWAという新たな通信規格が策定されていました。

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LPWAとは?→通信速度を落として低コスト・低消費電力

LPWAというのはLow Power Wide Areaの略です。BluetoothやWiFiといった数十m程度の範囲をカバーする無線通信よりも広いエリアをカバーしつつ、通信速度を押さえることでBluetoothやWiFiよりも低消費電力も実現しています。

LPWAの中でも幾つか方式があり伝搬距離も通信速度もバラバラですが、伝搬距離がWiFiが数十mに対してLPWAは数kmの単位、通信速度はWiFiが100Mbpsというメガビットの世界の一方でLPWAは数十Kbpsというキロビットの世界です。

SIGFOXという方式はなんと100bps!キロビットすらもつかない低速具合で何だか懐かしいですね。

このように通信速度を犠牲にすることで「乾電池で数年は持つくらい」消費電力を抑えることを実現する通信技術なのです。

LPWAの中でも注目度が高いのがLoRaWAN

さて、なかでも一番注目されている方式がLoRaWANというもので、大体、伝搬距離は5〜15km、通信速度は50〜980kbpsくらいです。

このLoRaWANが注目されているのは仕様がオープンである点。LPWAの分野でいち早くLPWA網をフランスやスペイン全土で既にサービスインさせているSIGFOXは、(通信速度は100bpsで)50kmもカバーしているが、仕様がクローズなのが難点。そのため、ほとんどの企業がLoRaWANを使った開発に取り組んでいます。

IoTの注目ベンチャーが進める垂直統合モデル

前回の記事で触れたIoTベンチャー企業のソラコムはIoTでは通信をいかに制するか、そのための動きが活発なように見えます。5月にM2Bコミュニケーション(旧・M2B通信企画)という通信事業者に出資をしてネットワークも一緒に手掛け始めました。

ソラコムは従来、クラウド基盤とSIMを提供していました。つまりは、データを処理するクラウドというバックヤード+情報を集める末端の機器に通信機能を提供するSIMを彼らは取り扱っていたのですが、SIMについては、MVNOとして大手携帯通信事業者のネットワークの間借りでコスト削減にも限界がありますし、元々、IoTが使うには小回りの効かないネットワークである点は既に述べた通りです。

それに対して、新たにIoTの各種デバイスが技術的にも価格的にも使い易いネットワーク網を作ろうとしているのがM2Bコミュニケーションとソラコムです。

彼らはLoRaWAN用のゲートウェイを設置し、LoRaWANのネットワーク網を構築し始めているのです。ソラコムの説明資料の以下の図がとてもよく分かりますが、

soracom_lorawan_gateway

出典:ソラコム(※リンク先は54MBのPDFファイルで大容量なのでお気をつけ下さい)

まさしく末端のIoTデバイスが使える通信網を増やすイメージですね。ソラコムとしては、これによって、IoTデバイス〜通信網〜クラウド環境を一気通貫で手掛けるようになります。

こうして見ていくと、IoT界隈がめちゃくちゃ面白いことになっています。とくに、ソラコムは2015年8月創業のベンチャーですが、矢継ぎ早で資金調達や新サービスの発表、提携のニュースを目にします。

こんなにもスピード感を持って事業展開しているベンチャーは日本数少なく、稀有な存在ですね。

ソラコムとAWSを本気で勉強してみようかという気がしてきます。

ちなみに、M2Bコミュニケーションにはソラコム以外にもファンドの組成等スタートアップ支援をするABBALabが出資者に名を連ねていますが、ABBALabのファンドにはさくらインターネットが出資しています。

ソラコムがAWS上に彼らのプラットフォームを構築しているのと異なり、さくらは自身でデータセンターまで運営しているという違いはありますが、IoT向けのクラウドサービスを提供している点では同業です。

IoT業界の関心がIoT用ネットワークに向いていることがよく分かりますね。

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